弊社工場に省エネのための自家発導入を検討しております。 弊社工場には電圧変動負荷(電気炉のようなもの)が存在し稼働中は±10% の電圧変動(フリッカ)が発生しております。 (1) このような条件下で自家発を系統併入し運用することは可能でしょうか? (そのような条件下での自家発を系統連系し運用しているケースは世の中にあるのでしょうか?) (2) もしくは、自家発導入可否を判断するためにどのようなことを事前検討する必要があるでしょうか? リスク管理として設計上どのようなことに留意すべきでしょうか? (3) 省エネ投資であるため高価なフリッカ対策装置を導入して迄自家発を導入するつもりはありません。 守秘もあり詳細情報提示できませんが、何か技術面でヒントになるようなことご教示いただけると助かります。
問い合わせに関して当方の経験に基づき回答します。 (1) 商用系統への併入は可能です。 但し、同期併入時は電圧変動のない時(電気炉が停止しているとき)に行うこと。 併入がうまく行けば、AVRは電気炉が運転中でも追従します。 余談ですが自家発が併入されたことで商用のみ→商用+自家発となり負荷側から見てインピーダンスが下がることになるので、電圧変動(フリッカ)が低減されます。 (2) 電気炉負荷(電流)は不平衡であるため逆相電流が発電機回転子の過熱損傷となる可能性があるので 設計段階で留意、対策を考慮する必要があります。 対策として発電機が分担する逆相電流を想定し、発電機の体格(容量)をアップすること。(JECの規格値以上の逆相電流耐量を確保すること。当方が要求する逆相電流耐量で製造できるかどうか?メーカに確認すること。) ・設計段階で、電気炉運転中での商用の逆相電流、高調波電流の計測を実施する。 目的は、発電機が分担する逆相電流を把握し、経済性も含め正しい発電機の仕様を確定させるため。 ・逆相電流は、連系中は商用と発電機のインピーダンスの逆比で按分される。 商用が無くなると全ての逆相電流が発電機の負担となるため自家発単独運転下での 電気炉の運転は基本的に困難だと思われる。 ・電気炉の変動は激しい(早い)ので商用、発電機への時間軸における逆相電流の負担について シミュレーションを行うことを推奨する。